１００台近くのシミュレーターを作ってきたKMRが教える。シミュレーターの作り方超徹底解説～第１回モニター選びのポイントと設置方法～

2024.10.27

このシリーズは、これまで１００台近くのシミュレーターを作ってきたKMRが、シミュレーターの各部品に対して組み立て方のコツやお勧めの部品を紹介しながら、より良いシミュレーターの作り方のアドバイスをしていくブログ記事になります。

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第１回　モニター選びのポイントと設置方法

モニターの主要なスペックの見方と意味は？

まず、モニターの主要なスペックについて説明します。（機材に詳しい方は飛ばしていただいてOKな項目です）

応答速度

応答速度は、モニターが色を切り替える速さを示します。一般的に1msが基準となっており、これくらいの速度であれば映像のブレはほとんど気になりません。
より高性能なモニターでは0.6msや0.4msのものもあります。

リフレッシュレート

1秒間に画面が何回更新されるかを示す数値です。一般的なゲーミングモニターは144Hz対応ですが、より滑らかな映像を求める場合は165Hzや240Hz対応のものを選ぶとよいでしょう。

解像度

フルHD (1920×1080) が一般的ですが、より高画質を求める場合は4KやWQHD (2560×1440) 対応のモニターも選択肢に入ります。

画面サイズ

27インチが主流となっています。大きいモニターを求める人は32インチを選択する人もいます。また、16:9のワイド型が一般的です。

パネルタイプ

– TN：応答速度が速い
– IPS/ADS：発色に優れている。また、視野角が広い
– VA：映像にメリハリがある

モニター形状

-湾曲：Rの付いたモニター形状で、比較的目に優しい。３画面で角度を付けて設置する場合、描画されるものの形状が歪みやすい
-フラット：通常の真っすぐな画面のモニター。３画面で角度を付けて設置しても、描画されるものの形状が歪みにくい

インターフェース（入力端子）

HDMIとDisplayPortが一般的です。PCの出力端子と合わせて選択しましょう。

特に、KMRがシミュレーター用として購入する場合、こだわるポイントは？

KMRでシミュレーター用にモニターを購入する場合、以下の順番でスペック等を確認し、何を購入するか決めています。

１．湾曲か、フラットか

おおまかには、目のやさしさを重視する方は湾曲。描画の正確さを重視する方にはフラットを選択しています。
ただし、視野角があまり大きくなくても良い方は、湾曲モニターを本体の湾曲している形状に合わせて設置し、歪みを減らして設置する事ができるので、最終的には好みになります。

２．インチ数

特に指定がない場合は、設置の距離やバランスを考えて27インチを選択しています。大きなモニターが良い！という方は32インチでも良いのですが、価格とのバランスが難しくなるのと、モニターの選択肢が減っていきます。サイドミラーを左右両方映したいという方は32インチが必要になる事が多いです。

３．メーカー（描画の質）

スペックが同じでも、メーカーが違うと描画の質が大きく変わってきます。おそらく、どこの工場でどのように制作されているか、どのような基準で出荷しているかによって、見え方が変わるのだと思います。同じメーカー、同じスペックだから必ず見た目が同じかというと必ずしもそうではないですが、型式が変わっても見た感じの雰囲気は同じメーカーであれば近いです。

４．リフレッシュレート

費用的に問題がなければ、144Hz以上の物を選択します。PCのスペック的に余裕があれば、より高いリフレッシュレートの物にすると、車の慣性力を感じやすくなります。

５．パネル種類

よく、IPSパネルが良いと言われますが、VAパネルでも左右のモニターをしっかりドライバーの方へ向けられれば問題ないと感じています。
左右モニターの設置角度を30度以下にしたい等、ドライバーがモニターを見る角度がきつい場合はIPSパネルを選択した方が良いです。

６．価格とのバランス

各メーカー、その時の製品ラインナップによって割安な時もあれば割高になる時もあります。上記１～５の基準で選定した後に何個か候補が残っている場合は、価格を見比べてみましょう。

設置の位置、角度の決め方は？

基本的な考え方は、こちらの記事をご参照ください

正しいシミュレーションのための分析 – コクピットは適切に設定しよう

This is a translation topic. Original Spanish topic is …

上記の記事を基本とした上で、モニター設置のポイントをご紹介します

設置位置

モニターから目までの距離は非常に重要。もしシミュレーターを仮組の状態で運転できる場合、600mm～750mmぐらいまでの間で移動させて運転してみてください。同じ車？と疑ってしまうほど、車の動きが変わるはずです。（ベストな位置に設定してほしい方は、組立てをKMRにご依頼ください）

設置角度

・モニターの設置角度は、（上記記事内の注意事項を踏まえたうえで）まずは45°ぐらいから始めて、どこまでの視野角が必要かと、角度を付けたことによる違和感の大きさとのバランスで決めましょう。もちろん、ソフト上の設定と実物の設置角度は合わせてください。
（一部、速度感を増す目的のために、ソフト上のFOVと実際のFOVをずらして設定するビルダーさんもいますが、KMRでは、実車のトレーニング用としては推奨しません）

KMRがこれまで購入・使用してきたモニターと、その使用感は？

Amazonと楽天に記録が残っている範囲ですが、KMRで購入してきたモニターは以下の通りです（カッコ内は購入台数）
表をクリックすると詳細にジャンプします。（ジャンプした先のページで、各モニターの販売先のリンクがクリックできます）
独断と偏見（これまでの経験）で評価していますので、私と違った意見の方は優しくメッセージ等でアドバイスやご意見をいただけると嬉しいです。